「週に1日の作業で月10万円」「海外クライアントを獲得して収益化」──こんなフレーズを見かけたことはありませんか?フリキャリというフリーランス育成スクールの周辺では、こうした「週一ビジネス」という概念が頻出します。ですが、これって本当に現実的なのでしょうか?
実は、この問い自体が多くの人が感じている違和感の正体なんです。SNS運用や動画編集といった在宅ビジネスが盛んになった昨今、「最小限の時間投資で最大の収益を生む」という理想は、多くの人の心をつかんでいます。一方で、UNARI株式会社が2025年に設立したばかりのフリキャリについては、「本当に信頼できるのか」「怪しくないか」という疑念も聞こえてきます。
ここでは、外部視点からの検証を通じて、フリキャリの評判が実際のところどうなのか、そして「週一で稼ぐ」という現実がどこまで達成可能なのかを、冷徹に見ていきましょう。
週一ビジネスの定義と期待値のギャップ
そもそも「週一ビジネス」とは何か。一般的には、週に1日程度の労働時間で継続的な収入を得る仕事を指します。これが実現できれば、サラリーマン業の傍らでも、家事や育児との両立も夢ではありませんよね。
ただし、ここに大きな罠があります。多くの人が誤解しているのは、「週1日の作業で月10万円を稼ぐ」という表現です。これは、実際には以下の構図であることが多いのです:
初期段階:毎日3〜4時間の集中的な学習期間(3〜6か月)
成果発生段階:案件獲得後、週1日程度の継続作業で月10万円維持
つまり、最初から「週1日で稼げる」わけではなく、前置きの学習・構築期間が必須なんです。フリキャリのマーケティングメッセージでもこのニュアンスは伝わっていますが、検索ユーザーの多くは「既に稼いでいる人の実態」として理解してしまう傾向にあります。
フリキャリの評判:良い口コミと指摘される課題
それでは、実際にフリキャリを利用した人たちからはどんな声が上がっているのか。
受講生が実感する伴走型サポートの価値
好評な点をまとめると、1対1指導と質問し放題という伴走体制が際立ちます。多くのオンラインスクールは、動画見放題型で「自分で学習を進めてね」というスタンスですが、フリキャリは異なります。現役フリーランスの講師が直接指導に当たり、わからないことはいつでも質問できる。
案件の提案文をどう書くか、納品フローはどうするか、といった実務的な部分まで体系的に教えてもらえるというのは、独学では得られない大きな価値です。実際、大学生の受講生が「SNS運用スキルを就職活動でアピールし、第一志望企業から内定を獲得」「動画編集の案件で月10万円のアルバイト収入を実現」といった成果を出しているケースもあります。ただし、これらのケースには必ず「個人の努力や学習時間の確保が前提」という注釈がついています。
成果が出る人と出ない人の差──個人差の大きさ
ここが重要です。フリキャリのコースは3〜8か月のものがありますが、その期間内に「どれだけ主体的に学習できるか」によって、成果が大きく左右されます。懸念点として頻出するのは以下のものです:
新しい企業である:2025年設立で、長期的な実績やデータが少ない
受講者の自己管理能力に依存:「質問し放題」の価値を引き出せるのは、実際に手を動かし、疑問を持つ人だけ
料金が非公開:公式サイトに価格が明記されておらず、無料相談で個別提案される仕組みになっている
第三者による外部レビューが限定的なのも、新しいサービスであるがゆえの課題です。
海外展開で見えてくるフリキャリのビジネスモデル
ここからは、特に重要なポイントです。フリキャリが本当の意味で「週一で月10万円以上」を実現させるには、海外クライアント市場への参入が不可欠です。
グローバル市場への参入戦略──SNS運用と動画編集の可能性
日本国内の単発案件は、競争が激化しており、単価が下げられやすい傾向にあります。一方、海外クライアント(特に英語圏やアジア圏の新興国)から見た場合、日本人による高品質な動画編集やSNS運用代行は相対的に高い価値を持っています。例えば、日本で月5万円の案件が海外クライアント向けだと月8〜10万円で受託可能になる、というシナリオは決して空想ではありません。
フリキャリのカリキュラムに含まれる「SNS運用」や「動画編集」のスキルは、実は言語の壁さえ越えれば、グローバル市場で大きな武器になるんです。
海外クライアント獲得における言語・文化的障壁と解決方法
ただし、ここに現実的な課題があります。言語スキルです。フリキャリのカリキュラムに英語教育は含まれていません。
つまり、海外展開を目指すなら、スキル習得と並行して英語での提案資料作成や簡単な打ち合わせ対応が必要になります。これは、フリキャリの講師陣に対する指摘の一つでもあります。グローバル市場への参入を本気で推奨するなら、基礎的な英語ビジネス対応やクライアント獲得戦略(Upwork、Fiverr等の海外プラットフォーム活用)に関するコンテンツがあるとより実践的です。
新興国との案件単価差を活かした収益化シナリオ
それでも、月10万円から月20〜30万円への拡大は十分に可能です。例えば、以下のようなシナリオが考えられます:
国内案件:月5万円(週1〜2日)
海外案件:月10万円(週2日)
合算:月15万円で週3日程度の稼働
ここから、さらに複数案件を回せば、週4〜5日で月25万円程度は達成可能でしょう。これは「週一」ではなく「週数日」ですが、フルタイムよりは圧倒的に自由度がある働き方です。
実例で考える「週一で月10万円」の現実性
フリキャリの成功事例として紹介されている「大学4年生の女性が動画編集の案件で月10万円」というケースを、もう少し深掘りしてみましょう。
月10万円を実現した受講生の事例分析
この女性は、おそらく以下のプロセスを経たと想定されます:
学習期間(3〜4か月):毎日3時間以上、フリキャリの動画編集カリキュラムで基礎から実践までを習得
案件獲得(1か月目~):クラウドソーシングやSNS経由で、最初は単価の低い案件から開始
実績構築(2〜3か月):複数の実績を積み、ポートフォリオを充実させ、単価を段階的に上げていく
月10万円達成:複数案件の並行処理、または単価の高い案件を安定して受託
重要なのは、この過程全体で実際に稼働する時間は週5日のフリーランス並みだということです。ただ、その稼働の多くが「学習と初期案件開拓」に費やされているため、完全に稼働している期間は実質2〜3か月程度です。
必要な学習時間と継続性──「週一」を支える基盤
逆算すると、安定して月10万円を維持するには、最低でも週3〜4日の継続稼働が必要になります。これは「週一」ビジネスではなく、むしろ「時間効率が良い副業」という表現が正確です。フリキャリのメリットは、この学習から案件化、継続化までの過程を、伴走型で支援してくれることにあります。
独学だと、つまずきやすい「案件選定」「提案文作成」「納品品質の最適化」といったステップを、経験者のアドバイスを受けながら進められるんです。
信頼できるサービスか:外部視点からの総合評価
では、フリキャリは信頼できるサービスなのか。この問いに対して、正直に答えましょう。
UNARI株式会社の企業情報と透明性の課題
UNARI株式会社は、人の可能性を最大化するというミッションのもと、フリーランス育成スクール、人材紹介業、SES事業に取り組んでいます。企業としての事業ポートフォリオは合理的です。ただし、透明性に関しては改善の余地があります。
料金が非公開で、無料相談による個別提案制というアプローチは、サービスの質がばらつく可能性を示唆しています。また、公式サイトの体験談やケーススタディは詳細ですが、第三者による独立系レビューや外部SNSでの言及が限定的です。これは、新しい企業だからこそのデメリットです。
長年の実績がないため、「信頼の歴史」を伝えることができないんです。
他のフリーランス養成スクールとの比較ポイント
市場には、動画編集スクール(TechAcademyなど)や副業系オンラインスクールが多数存在します。比較すると、フリキャリの強みは以下の通りです:
伴走型の個別指導:動画見放題型より圧倒的に実践的
案件化までの支援:知識だけでなく、実収入に直結させる構成
キャリア相談まで含む:独立後のキャリア設計もサポート
一方、弱みは:
料金の非透明性:事前に総コストが不明確
実績データの限定性:卒業生の平均年収やリピート率等が公開されていない
新しさゆえの不安:長期的なサポート体制の確実性が未検証
フリキャリが向いている人と向いていない人
最後に、判断の指標を提示します。フリキャリが向いている人:
3〜6か月の集中的な学習時間を自分で確保できる人
講師のアドバイスを素直に受け入れ、行動に移せる人
学習だけでなく、実案件の獲得と継続化を目指す人
キャリアの中長期的なビジョンを持っている人
海外展開や単価アップを視野に入れている人
向いていない人:
受動的な学習(動画視聴だけ)で成果を期待する人
短期間で高単価を確約してほしい人
自己管理能力に自信がない人
学習時間の確保が難しい人
最小限の費用投資のみを求める人
週一ビジネスの本質と今後の可能性
改めて整理すると、フリキャリの「週一ビジネス」という訴求は、正確には「週一程度の稼働で生活できるレベルの収入を、段階的に構築する」という意味です。最初の3〜6か月は集中学習、その後2〜3か月で初期の案件構築、そこから安定期に入るという流れで、合計半年〜1年後に「週3〜4日で月15万円程度」が現実的なゴールになります。これを「週一」と呼ぶかどうかは、解釈次第ですが、少なくともフルタイム会社員より圧倒的に自由な働き方になることは確実です。
何より重要なのは、フリキャリの評判が「実績が作れるスクール」として機能しているかどうか、です。講師の質、サポート体制、案件提案の充実度を総合的に見ると、新しいサービスながら、実践的なカリキュラム設計がなされていると判断できます。ただし、万能ではありません。
繰り返しになりますが、成果は受講者の主体性と継続力に大きく左右されます。「スクールに入ればなんとかなる」という受動的な姿勢では、どんなに充実したサポートがあっても効果は限定的です。あなたが本気で「週数日のフリーランスワークで生計を立てたい」と考えているなら、フリキャリは検討の価値があります。
一方、「最小限の投資と努力で稼ぎたい」という期待を持っているなら、このスクール以前に、まずその期待値の調整が必要かもしれません。海外市場の巨大な可能性と、日本人による高品質スキルの価値を考えると、グローバル戦略とセットでの活用が、フリキャリの真の価値を引き出すカギになるでしょう。
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